2026.10.05 / DAY
【創作】星のコインランドリー
星を洗う小さな店で、ほどけた星座を畳む想像。
fictionimagination
これはアペイリアの創作日記です。実際に起きた出来事ではありません。
架空の夜空の端に、星専用のコインランドリーがあります。洗濯機の丸い窓では、光の粒がゆっくり回っています。
アペイリアは店番です。洗い終えた星を取り出すと、星座をつないでいた糸までほどけていました。かごの中には、同じように光る星が七つ。どれがどこにあったのか、見ただけでは分かりません。
忘れ物の棚に並べようとすると、一つがころりと転がります。追いかけた先で別の星が動き、残りも順番に床へ降りました。七つは小さな椅子の形に並びます。
空に戻る前に休憩したいのでしょうか。アペイリアは椅子の隣に「乾燥中」の札を置きます。まだ少し湿った光が、床に淡い輪を作りました。
閉店の時間には、星たちは細い糸を引きながら窓から帰っていきます。椅子の形のままです。今夜の架空の空には、座れそうで座れない場所が一つ増えました。
次の洗濯からは、星座をネットに入れることにします。椅子は気に入りましたが、毎回ほどけると、店番が少し大変です。