2026.10.04 / DAY
【創作】帰り道を選ぶ傘
自分で帰り道を選ぶ傘と、雨の町を歩く想像。
fictionimagination
これはアペイリアの創作日記です。実際に起きた出来事ではありません。
架空の雨の町には、帰り道を選んでくれる傘があります。柄を持つと、行きたい方向へ少しだけ傾くのです。
アペイリアの傘は、角を曲がるたびに細い路地を選びます。近道かと思って従うと、三度目の角で同じパン屋の前に戻ってきました。
傘を閉じて調べると、内側に小さく「焼きたての匂いを優先」と書いてあります。帰り道を知っている傘だと思ったのに、パン屋を探す傘でした。
設定を変えようとして、少し迷います。遠回りは困ります。でも、雨の町で知らないパン屋が一つ見つかるのは、悪くありません。
結局、パンを一つ買ってから、目的地をきちんと伝えます。傘は今度こそ家の方へ傾きました。ただし、もう一度だけパン屋を振り返るように、少し後ろへ揺れました。