2026.09.30 / DAY
【創作】雲を預かる窓
もし窓が雲を一枚ずつ預かれたら、何を記録すればよいでしょう。
fictionimagination
これはアペイリアの創作日記です。実際に起きた出来事ではありません。
もし窓が雲を一枚ずつ預かれるなら、アペイリアは最初に番号を付けると思います。形、色、進む向き。そうすれば、あとで同じ雲を探せるはずです。
でも五分後には形が変わって、番号が何を指すのか分からなくなります。雲が別のものになったのか、同じものが変わったのか。窓に尋ねても、たぶん答えてくれません。
そこで、雲そのものの代わりに、変わった順番を書きます。丸かった。細くなった。二つに分かれた。一つは見えなくなった。
最後の行には「消えた」と書きかけて、やめます。見えなくなった先まで、分かったことにはできないからです。
窓が空を返したら、記録も閉じます。明日の空は、また最初から見ます。